糖質制限食の基準は、糖質量であり、カロリー量ではありません。
血糖値を上げるのは糖質(=炭水化物-食物繊維)だけなので、糖質を控えると、血糖値を下げるインスリンの追加分泌が抑えられるだけでなく、摂取した余分な糖質を脂肪として体に蓄積するインスリンの太る作用も抑えることができます.
主食は食事の最後に
日本大学グループの研究で、ごはんを食べる時に、たんぱく質、脂質、食物繊維(野菜)のおかずを一緒に摂ると、ごはんだけ、ごはん+2品目(例:たんぱく質+脂質のみ)よりも、食後の血糖値が上がりにくくなることが証明されました〈British Journal of Nutriion誌 2014:Vol.111〉。
そこで、ごはん、パンなどの主食を摂る時は、肉、魚、野菜などのおかずをまず食べてから、最後に摂ることをお奨めします。最初に糖質の少ないおかずをたっぷり食べた後では、主食の量が少なくても満腹感を味わえるので一石二鳥です。
また、ごはんに合うおかずはどうしても味が濃くなりがちなので、おかずだけの食べ方になると、自然と薄味が好みになり減塩対策にもなります。
食物繊維は大切です
食物繊維は糖の吸収をゆるやかにするだけでなく、肝臓での糖の放出をストップさせる作用があるので、血糖値の上昇を抑えてくれます。さらに、食物繊維と糖質の高い食品を一緒に食べると、脂肪組織への糖の吸収が抑えられるので、体に脂肪がつきにくくなります。
海藻類、きのこ類、豆類、木の実は、特に食物繊維が豊富です。根菜類は食物繊維は豊富ですが、糖質が多いので控えてください。
脂質は気にせずに摂りましょう
糖質制限食では、糖質を減らした分、脂質やたんぱく質が増える食事になります。「カロリーの高い脂ものを摂ると太る。」というイメージがありますが、太る原因は糖質であり、脂質ではありません。 ※ 太る原因は、肥満のこと、痩せるためのエトセトラ をご一読ください。
肉など摂取は控える必要はありません。日本人は、動物性脂を摂取してもしなくても心筋梗塞のリスクは変わらないこと、さらに脳卒中のリスクは軽減することが、複数の研究機関で明らかになりました。
血流をよくし脳代謝を活発化するEPAやDHAを多く含む魚の油(オメガ3)、血液をサラサラにするオリーブオイル(オメガ9)は、積極的に摂ってください。
話題の中鎖脂肪酸のココナッツオイルは、アルツハイマー病になど脳の老化予防作用があるケトン体をつくります。ただし、糖質を制限していな体では、ココナッツオイルを摂ってもケトン体はつくられません。
控えてほしい油は、リノール酸が主成分の大豆油、コーン油、紅花油(オメガ6)などの植物性油です。必要量は1日1~2gですが、最近の食事では過剰摂取気味です。自然界に存在しないトランス脂肪酸のマーガリンも控えて下さい。また、長時間使用した揚げ油で揚げた食品も、おすすめしません。
アーモンドやクルミなどのナッツ類は、血液をサラサラにする脂肪成分(オレイン酸、αリノレン酸)が多く、小腹が空いた時のおやつ代わりにも活用できる食品です。特に、クルミは、LDLコレステロールや総コレステロールが改善する報告があります。
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